2020年3月、コロナ禍により、外に出てはいけませんと国から命令が出された。密を避ける、人に触れない、息がかからないようにする、同じ空間にできるだけいないようにする・・・。
演劇が死んだ時代のはじまりです。
私たちは、シェイクスピア遊び語り第16弾『テンペスト 大嵐』の稽古をスタートするところでした。全ての劇場が閉鎖され、リハーサルも上演企画も立てられない状態。
その中で出演者たちと話し合いを重ね、2021年3月に、撮影と現場上演とを掛け合わせた、全く新しいスタイルの演劇が作ることにしました。
ZOOMで稽古を重ね、視線や動きを緻密に計画を立て、各自がそれぞれ自宅で自分を撮影するという、ええ、暴挙に近い離れ業を使い、ほぼ全ての場面を録画しました。
相手役がいる場面は、相手役と同期させ、どこに視線を合わせたり動きを合わせれば、同じ場所にいるように見えるだろうか、を話し合い、練習して、それぞれが自宅で撮影をしていたのです。
主役のプロスペロゥとそのおつきの精霊エリアルのみが、ほかの「人間」キャラクターとは異なる視点で島に魔法をかけているという設定を用いて、その二人だけは、劇場で生演技。あとはこれまた緻密に編集を重ねた映像を投影し、映像と生演技が、まるでライブのように編み込まれていく手法で、上演をしました。
その劇場上演の様子を映像でご覧いただけます。生演技と映像部分の編集がとても上手く行っているので、臨場感たっぷりにご覧いただけます。
ご視聴をご希望の方はこちらから。